アート散歩開催に向けて
11月開催の真鶴(.)湯河原アート散歩のパンフレット、DMも出来上がって、後は会場準備と作陶の継続。
準備されたポスター、看板に背中を押されながらの日々が続く。
開催スケジュール
陶芸家:井上昌久(いのうえよしひさ) 太平洋が一望できる絶景の穴窯 ギャラリーで展示販売中です
5月に12日間に渡る窯焚きを終え、一段落したところで奈良へ1泊2日の小旅行をした。絵にかいたような五月晴れの雲の下を、幾つかの寺院や若草山、さらにその背後の柳生街道、春日奥山石仏の道など、コロナ禍を忘れるような二日間だった。昨年の今頃は脊椎炎での病床にあったことを思えば、歩くこと、歩けることの有難さはひとしお身に沁みた。
改まって今回の窯焚きを振り返り、来年の窯焚きを思うと暗い気分になった。 窯屋根の下の薪は全て使い切り、原木を積んだ薪置場にもまともな松材はほぼ無くなっている。今まで20年間、こうしたことがなかったわけではないけれど、いつの間にか薪は届いた。林業者、土木関係、造園業、ミカン農家、断続しながらも搬入はあって、薪置場に薪が絶えたことはない。いい関係が続いていたのだ。20年薪を買ったことが無い、というのはある種「風籟窯」の誇りであり自慢でもあった。.しかし今度ばかりは、と整地を続けていると、ある日軽トラックが日を置いて2台、剪定のみかんと庭木の松と、さらに1週間ほどして、今度は大型のトラックで、巨大な松の原木が届いた。不思議なことだが、薪置場がきれいになっていれば薪は届く。
年に1回の穴窯、後は11月の展示会までは電気窯と決めて制作を続けているこの頃だが、どうやらまた来年も窯焚きをするのだぞと、何者かに尻を叩かれている気がする。来年も窯を焚く。
5月6日、7日、8日、本焚きに入って、煙突から煙、炎、火柱と温度が上がるに従って情景が変化していく。
最初の5日間は炙り焚きと言って日中10時間、朝8時から夕刻ま6時頃までゆったりと薪をくべ、夜は蓋を閉じて寝てしまう。
目的は作品とレンガの蓄熱、しっかり炙った窯は、本焚きに入ってからの昇温に極めて有効になる。
そしていよいよ明日から本焚き、応援も入って夜通しの5日間だ。
5月の風は幾分強い
真鶴も若葉青葉に続く季節となって、ようやく窯に火が入った。
6日間で400個。窯は隙間なく作品で、満たされていきます。
後の窯炊きに入ってからの昇温を左右します。
いよいよ窯づめが始まりました。
明日は4列目、そして火前に大きな作品の配列が始まります。
椿が咲き蕗の薹が顔を出しました。
最下段の畑まで除草と道の整備がすんで、敷地内で花を楽しみながら散歩できるようになった。
蕗の薹が顔を出し、水仙、椿、アセビと咲き続けているのも、西風のあたらない海側、東側の斜面だからだろうか。
天気の良い日にでもお出掛けください。
昨年は自他ともに思わぬアクシデント。穴窯焼成は中止、恒例のアート散歩も見送りとなる中で、どうにか一ヵ月間のギャラリー展を開催することができました。コロナの状況が今ほど悪化していなかったこと、又山の上での過密地域でないこともあるのですが、なにより自分の作陶生活のリズムを失いたくなかったということだったと思います。来ていただいた方、また協力していただいた方々には本当に感謝しております。
例年に無い多くのヒントを頂いた陶展になりました。今年は5月に穴窯を焚きます。すでに準備はスタートです。どうぞ本年もよろしく。悔いの無い良い年にしましょう。